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プロ目線でリアルインプレ! – 池田祐樹の正直レビュー (Vol.3)

プロ目線でリアルインプレ! – 池田祐樹の正直レビュー (Vol.3)

TOPEAK-ERGON RACING TEAM所属のプロ マウンテンアスリート、池田祐樹 選手による製品レビュー【プロ目線でリアルインプレ! – 池田祐樹の正直レビュー】Vol.3。

第3回は池田選手が長年愛用している「ERGON(エルゴン)」のMTB向けサドル「SM Men」サドルをレビューしていただきました!

~お尻の悩みにさようなら? ERGON「SM Men」サドルの実力とは~

エルゴンからサドルが登場して以来、約12年にわたって愛用しています。

自転車と身体が接するポイントは「グリップ」「サドル」「ペダル」の3つ。どれか一つでも身体に合っていないと、大きなストレスになり、長時間のライドでは深刻なトラブルの原因となりかねません。

中でも多いのがサドル周りのトラブル。お尻の痛みや股擦れに悩まされるサイクリストは少なくありません。私自身、かつては坐骨周りの痺れや股擦れに苦しんでいました。

そんなとき、手の悩みをグリップで解決してくれたエルゴンからサドルが登場し、すぐに試したところ…長年の悩みから解放されたのを今でも覚えています。

以来、サドルもグリップもずっとエルゴン。もちろん現在のスポンサーブランドではあるのですが、仮に選手を引退したとしても、使い続けるだろうと思える製品です。

©︎Hanson Images

エルゴン「SM Men」サドルの特徴と、使って感じたこと

✔ 坐骨幅に合わせたサイズ選択

人それぞれ異なる坐骨幅に対応しており、S/M(90–120mm)、M/L(120–160mm)の2サイズを展開。私の坐骨幅は約115mmなのでS/Mを使用しています。自分の坐骨幅に合った適切な幅を選ぶことで、格段に違うフィット感と快適性が得られます。

✔ 男性専用設計 (女性専用もあり)

エルゴンが “男女で骨盤の角度や形状が異なる” ことを考慮し、男性専用にデザインしたモデルが「SM Men」。深めのリリーフチャンネル(中央の溝)が、会陰部への圧迫を軽減し、血流低下や前立腺へのリスクを抑えてくれます。私のようにロングライドやロングレースが多いライダーにとっては非常に重要な要素です。

✔ オフロードに最適な形状

SMシリーズはY字型のフラットな座面で、ペダリング中の脚の動きを妨げません。不規則な地形でも安定した座り心地をもたらします。ノーズ先端のフラットな形状は、MTBのテクニカルな激坂でもしっかり“座っている感”があり、操作性にも優れます。

✔ パッドの適度な硬さ

ナイロンコンポジットのシェルに、エアーセル フォームやオルソセル®パッドを採用。程よいクッション性があり、ペダリング時にも骨盤を程よくサポート。長時間でも圧迫感を感じにくく快適です。


実戦で証明された快適性

2024年夏、アメリカ・コロラド州で開催された375kmのバイクパッキングレース「メガ・エピック」にて優勝。標高3000〜4000mのロッキー山脈を49時間かけて走り切る、私にとって最長のレースでした。

この過酷な環境でも、サドル周りの痛みや痺れ、トラブルはありませんでした。もし途中で股擦れや痛みが出ていたらと思うとゾッとします。まさに、エルゴンのサドルは“影のMVP”と言える存在でした。

また、日本国内最大の長距離MTBレース「SDA王滝」でも定番アイテムとして愛用。延々と続く荒れた路面でも、痺れや痛みを感じにくく、毎回上位でフィニッシュすることができています。


快適に使うためのセッティング&アドバイス

● サドル角度は要注意!

最初は地面と平行なフラットポジションから調整を。MTBのフルサスバイクでは沈み込み(サグ)も考慮して微調整するのがポイントです。

● 乗車時の加重バランスに注意

ハンドルにも適度に体重を分散することで、サドルへの圧力が減り、快適性が向上します。

● 長距離では姿勢の変化を意識して

時折ダンシングしたり、お尻を少し浮かせたりすることで、痺れや痛みのリスクを軽減できます。特に突き上げが多いオフロードでは、凸凹した路面に合わせた“抜重”が重要です。

● バイクフィットもおすすめ

身体に合ったサドル角度、前後位置、高さをプロに見てもらうことで、快適性とパフォーマンスの両立が目指せます。


池田祐樹 使用サドル情報

  • モデル:ERGON SM Pro Men
  • サイズ:S/M(坐骨幅90-120mmに適合)
  • チーム限定モデル(レールのみカーボン仕様、市販品はØ7mm チタン合金製中空レール)

製品情報について詳しは、公式サイトをチェックしてください!

今回はオフロード向けモデルの「SM Men」をレビューしましたが、ロード、グラベル、トライアスロン、ツーリングなどにも対応するモデルも多数揃っています。

さらに詳しいエルゴンのサドル情報は、エルゴン公式サイトでどうぞ:
👉公式製品ページ:https://ergon-bike.jp/products/saddles


池田祐樹

プロマウンテンアスリート
TOPEAK ERGON RACING TEAM USA 所属(MTB)
TEAM ALTRA所属(トレイルラン)

2011-2017年の7年間連続で、MTBマラソン世界選手権日本代表として参加。MTBの長距離、耐久レースの国内第一人者とされる。2019年からMTB競技のみならずトレイルランを本格的に始め、2種目のウルトラ競技(100マイルやステージレースなど)をトップレベルで戦う山の総合エンデュランスアスリート「マウンテンアスリート」の第一人者として活動中。

公式インスタグラムアカウント:https://www.instagram.com/yukiikeda/
公式ウェブサイト:https://yukiikeda.net/


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