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プロ目線でリアルインプレ! – 池田祐樹の正直レビュー (Vol.7)

TOPEAK-ERGON RACING TEAM所属のプロ マウンテンアスリート、池田祐樹 選手による製品レビュー【プロ目線でリアルインプレ! – 池田祐樹の正直レビュー】Vol.7。
第7回は池田選手の足元を支える「MAXXIS(マキシス)」の長距離レース/トレイルライド用タイヤを徹底レビューしていただきました!
MAXXIS 長距離レース/トレイルライド用タイヤ レビュー
プロが選ぶ、マキシス長距離レース/トレイルライド用タイヤ徹底レビュー

長距離レースから日々のトレイルライドまで、幅広く対応してくれる私のお気に入りタイヤが【Maxxis ASPEN(マキシス アスペン)29 x 2.40】です。
これまで数々のタイヤを試してきましたが、ここ数年の使用率は圧倒的にアスペン。国内最高峰のMTB長距離レース「SDA in 王滝」での優勝や、海外レースでの表彰台も、このタイヤに支えられてきました。
レースだけでなく、軽量性と安心感のおかげで日々のトレイルライドも快適。まさに「頼れる相棒」といえる存在です。


私がタイヤに求める条件
- 軽量性
- 転がりの良さ
- グリップ力
- エアボリューム
- パンク耐性
アスペンは、これらの要素を絶妙なバランスで実現しています。
アスペンの特徴とお気に入りポイント
1. 軽量性
重量は770g。同クラスのXCタイヤの中でも軽量です。
例えば私が次によく使う【リーコンレース】は825gで、アスペンより55g重い。登りを重視する私にとって、この差は確実に体感できる要素です。

2. 転がりの良さ
低めのセンタートレッドと、新しいコンパウンド「MaxxSpeed」によって、転がり抵抗が大幅に低減。登りや平地での巡航性能が光ります。

3. 程よいグリップ力
センターは低ノブで転がり重視ながら、サイドノブはしっかり。コーナリングでは安心して荷重をかけられます。
さらに2.40のエアボリュームがあるので、低圧にすれば“粘りのあるグリップ感”も得られます。
4. エアボリューム
2.40というサイズはXC系ではやや太め。しかし、この太さが振動吸収性と走破性能を高め、長距離ライドでの疲労軽減にもつながります。
5. パンク耐性
「EXOプロテクション」によるサイド補強が優秀。尖った石が多い王滝のような過酷なコースでも、これまでパンクはゼロ。サイドノブ自体がサイドウォールを守ってくれる効果も実感しています。


アスペンは万能?他タイヤとの使い分け
アスペンは非常にバランスの良い万能タイヤですが、路面状況やコース特性によっては他のモデルを選ぶこともあります。

- リーコンレース 29 x 2.40
重量は55g増すが、転がりと耐久性はアスペン以上。パンクリスクの高いコースではこちらを選択。

- アスペンST 29 x 2.40
重量685gと超軽量。TPI170のしなやかさ。ほぼスリックのセンターで転がり最強だが、軽さと転がりの良さを得られる一方で、トレッド面の耐パンク性やグリップ力はやや低め。比較的スムーズでグリップの良い路面に最適。

- アイコン 29 x 2.35
以前の私の定番。どんな路面でも無難にこなせる万能型。重量は835gとやや重いので、今はトレイルライド用に愛用中。初心者にもおすすめの1本。

空気圧セッティング
- 普段:20psi前後
- レース/パンクリスクの高いコース:23psi前後(体重63〜64kgでの数値)
低圧セッティングのしなやかさとグリップ感は、アスペンをさらに魅力的にしてくれます。
練習時にエアーゲージ(空気圧計)やE-ブースターデジタルなど、空気圧を数値で確認できるツールを携帯すると便利です。路面やライディングスタイルに合わせた最適な空気圧を見つけることができ、結果的に走りの快適性や安定性が高まります。


まとめ
アスペン29 x 2.40は「レースもトレイルも、1本でカバーしたい」という長距離系ライダー/レーサーに強くおすすめできる万能タイヤ。
ただしコースやトレイルによって「特化性能」が欲しい場合は、リーコンレースやアスペンST、アイコンなどとの使い分けが理想的です。
マキシスには他にも豊富なラインアップがあります。ぜひ公式サイトでチェックしてみてください。
→ マキシス公式ウェブサイト

池田祐樹
プロマウンテンアスリート
TOPEAK ERGON RACING TEAM USA 所属(MTB)
TEAM ALTRA所属(トレイルラン)
2011-2017年の7年間連続で、MTBマラソン世界選手権日本代表として参加。MTBの長距離、耐久レースの国内第一人者とされる。2019年からMTB競技のみならずトレイルランを本格的に始め、2種目のウルトラ競技(100マイルやステージレースなど)をトップレベルで戦う山の総合エンデュランスアスリート「マウンテンアスリート」の第一人者として活動中。
公式インスタグラムアカウント:https://www.instagram.com/yukiikeda/
公式ウェブサイト:https://yukiikeda.net/