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プロ目線でリアルインプレ! – 池田祐樹の正直レビュー (Vol.5)

プロ目線でリアルインプレ! – 池田祐樹の正直レビュー (Vol.5)

TOPEAK-ERGON RACING TEAM所属のプロ マウンテンアスリート、池田祐樹 選手による製品レビュー【プロ目線でリアルインプレ! – 池田祐樹の正直レビュー】Vol.5。

第5回は世界中のサイクリストに愛用されている「TOPEAK(トピーク)」のミニツール(携帯工具)をレビューしていただきました!

プロ歴16年のMTB選手が本気で選ぶ、信頼の携帯工具とは?

今回は、私がアマチュア時代から現在まで長年愛用しているブランド「TOPEAK(トピーク)」のミニツール(携帯工具)をご紹介します。

TOPEAKは、1991年創業の台湾ブランド。30年以上にわたって、ツール、ポンプ、バッグ、バイクスタンドなど、革新的で信頼性の高い自転車アクセサリーを数多く開発してきました。
世界中のプロチームや愛好家に支持されており、ロード、MTB、グラベル問わず幅広いライダーに愛用されています。


携帯工具が活躍するシーン

1. ライド中のボルトの緩みとポジション調整

・ハンドル、ステム、サドル、ディレイラーなどの増し締め
・ブレーキレバーやシフターの角度調整

2. 変速不良時の応急調整

・ディレイラーのリミットボルトやバレルアジャスター調整

3. 転倒や落車後のトラブル対応

・曲がったレバーの位置修正、アクセサリーの再固定など

4. チェーントラブルへの対応

・切れたチェーンの接続や応急修理

私自身がライド中によく使用するのは、六角レンチ(2〜6mm)とトルクスレンチ(T25)。加えて、パンク修理時に必要なプラグカッター(ナイフ)も重宝しています。


プロが選ぶ、TOPEAKの信頼できる携帯工具2本

長年MTBで過酷なレースを走ってきた経験から、私が実際に使い分けている2つの携帯工具をご紹介します。
それぞれに明確な目的と利点があり、シーンに応じて使い分けています。


【1】万能ツールとして最も信頼しているのは:Mini PT30

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Mini PT30は、あらゆるトラブルに対応できる“フルスペック”の携帯ツールです。
私が日々のトレーニングライドから、長距離のオフロードレース、さらには海外遠征まで常に携帯している1本でもあります。

このツールの魅力は、なんといっても30種類もの機能を169gという軽量ボディに収めていること
六角レンチ(2〜8mm)、トルクス(T10 / T15 / T25)、チェーンツール(マスターリンク対応)、スポークレンチ、プラス / マイナスドライバー、プラグツール、リーマー、ナイフなど、ライド中に想定されるトラブルをほぼ網羅しています。

ステージレースやバイクパッキングレースなど、数日間にわたる長距離オフロードライドでは、何が起こるかわかりません
そんな時にこのMini PT30が1本あれば、応急対応の幅が格段に広がり、精神的な安心感も得られます。

また、海外遠征など、飛行機輪行時にバラしたバイクを組み立てるときにも便利。遠征先で「工具忘れた!」というようなトラブルも防げます。

!注意点! あくまで携帯工具なのでレンチの長さが足りなかったり、幅があるぶんパーツに干渉して調整箇所に届かなかったりする場合があるので、予めライド前に確認しておきましょう。携帯工具が届かない箇所は、普段から気にしてトルクチェックしておきましょう。


【2】軽量ライドの相棒に選ぶのは:Tubi 11

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一方で、レースによってはできるだけ荷物を軽くしたい場面もあります。
そんなときに私が頼りにしているのが、Tubi 11です。

このツールは、必要最小限の11機能に絞られたミニマリスト向けの軽量モデル。
六角レンチ(2〜6mm)やT25トルクスといった基本ツールに加え、チューブレスタイヤのパンク修理に必要なプラグツール、リーマー、ナイフを搭載。
重量はわずか93g
と非常に軽量でコンパクトなデザイン。サドルバッグの中の整理もしやすいです。

特に、SDA王滝のようなワンデイ長距離レースでは、Tubi 11を選ぶことが多くなっています。
以前はMini PT30のような多機能モデルを携帯していましたが、レース中に使わない機能も多く、「必要な機能だけで十分」という考え方にシフトしました。

また、これまでチェーン切れに遭遇した経験がないこともあり、チェーンツール非搭載のこのモデルで十分対応できていると感じています。

ただし、不安な方やあらゆる状況を想定したい方には、やはりMini PT30のような多機能タイプをおすすめします。


共通の強み:チューブレスタイヤのパンク修理対応

とくにサイドカットのようなケースでは、フレームと干渉する可能性があるため、プラグをしっかり整えるためのナイフは非常に重宝しています。

※ちなみに私は、パンク修理のリスクをさらに減らすために、TOPEAKの【プラグツールマウンテン】もハンドルバーの両側に仕込んでいます。

両側ともに、すぐ使えるようあらかじめリペアプラグを装着した状態でセットしており、パンク時の素早い対応を可能にしています。
こうした“二段構えの体制”が、日常のトレーニングライドから長距離レースでの安心感に繋がっています。


携帯工具選びのポイントと注意点

  • 自分のバイクに使用するレンチのサイズを把握しておくこと(特にトルクスや特殊サイズ)
  • ボルトにレンチが届くこと、作業が行える空間が確保できることを把握しておくこと
  • チェーンツールやプラグツールの使い方を事前に確認・練習しておくこと
  • あくまで応急処置用の工具なので、自宅での整備にはトルクレンチなど精密工具を使いましょう。もしくはバイクショップで整備してもらいましょう。
  • 携帯工具自体も時々点検しましょう。特にウエットコンディション下で携行した時は、使用後、錆が発生する前に水分を拭取り、乾燥、可動部に注油の整備を行いましょう。

まとめ

TOPEAKの携帯工具は、用途別・シーン別にしっかり選べる設計と信頼性が魅力です。

  • 万能型・安心重視なら【Mini PT30】
  • 軽量・必要最小限なら【Tubi 11】

どちらも実戦で鍛え抜かれた信頼のツール。携帯工具選びに迷ったら、まずこの2つから検討してみてはいかがでしょうか?

その他のツールラインナップや詳しい情報は、公式サイトをご覧ください。
トピーク公式 ツール製品ページ


池田祐樹

プロマウンテンアスリート
TOPEAK ERGON RACING TEAM USA 所属(MTB)
TEAM ALTRA所属(トレイルラン)

2011-2017年の7年間連続で、MTBマラソン世界選手権日本代表として参加。MTBの長距離、耐久レースの国内第一人者とされる。2019年からMTB競技のみならずトレイルランを本格的に始め、2種目のウルトラ競技(100マイルやステージレースなど)をトップレベルで戦う山の総合エンデュランスアスリート「マウンテンアスリート」の第一人者として活動中。

公式インスタグラムアカウント:https://www.instagram.com/yukiikeda/
公式ウェブサイト:https://yukiikeda.net/


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